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熱さの中に温かさがある、激しさの中に優しさがある。

(大室ふるさとセンター前、平成24年3月柏市設置の案内看板より一部抜粋引用)

大室の盆綱引きは、江戸時代の元禄12年(1699年)7月13日に青年たちが茅で太綱(地力綱ともいう)を網み、夕方の暮六つ(現在の午後6時ごろ)を合図に引き合いの勝負を行い、その年の吉凶を占ったのが始まりといわれています。

綱は、長さ20メートルの荒縄数本をより合わせた元網に、青茅と若竹を織り込み、神霊が宿るといわれる中央部分は太く作ります。当日は、拍子木の合図で、五穀豊穣と精霊供養の願いをこめ、若者たちの威勢の良いかけ声とともに盆綱の行事が始まります。綱引きは3回行われますが、3回目は中央をノコギリで切断し、双方勝ち目なく終わる、というものです。

この行事は一時中断していましたが、地域の方々の努力により平成22年から復活し、毎年8月15日夕方から、大室ふるさとセンター前の市道で行われています。

​昭和63年8月1日、柏市指定文化財(民俗文化財・無形文化財)

会場には夜店が並び、笛や太鼓の音色が心地よく、夏のお祭りらしい雰囲気が漂っています。大室町会の子供たちによる子供綱引きや盆踊り、来賓の皆様の祝辞などで会は進行します。そしてメインイベントの大人綱引きになりますと、熱気も最高潮に達します。

ご参加の皆様が西方、東方に分かれます。1名ずつ名前を読み上げられると同時に、威勢の良いかけ声「ウェ~イ!」が発せられ、呼ばれた人は1杯ずつお神酒を頂きます。

一通り、メンバー紹介が終わりますと、いよいよ綱引きの開始です。勝負は3本勝負。1本目に西方・東方いずれかが勝てば、2本目はもう片方が勝ち、3本目は中央にノコギリを入れて終わります。そのため、1本目は本気勝負(笑)になる傾向があります。1本目に勝った方は、2本目前にお互いに「おい、次はわかってるよな?わかってるよな?」と声を掛け合う姿もコミカルで面白いです。そこに和やかな笑いが生まれます。

​伝統の本質を守りつつ、その時代や潮流に合わせた柔軟さを持つお祭りのように感じます。

​大室盆綱

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